私の家族は、夫と、1歳の息子の“もっち”。
そして、猫の福ちゃん(6歳)。
家族は、心から安らげる自分のベースキャンプ。
安心・安全な場所。私がつくった“自分の家族”です。
生まれ育った地方は、保守的な風土で、
家族とは価値観が合わず、小さい頃から家を出ようと思っていました。
結婚は、家を出て自由になる手段のひとつだったのかもしれません。
そんな私は、WEBメディアでニュースを書く仕事をしています。
働きかたやライフスタイル、カルチャーを通じて、
一人ひとりが自分らしく生きられる社会を発信してきました。
ジェンダー、LGBT、マイノリティ……
一人ひとりの生きかたと向き合っていたら、
現代の「家族のかたち」に行き着きました。
ひとりで生きてもいい。
誰かとともに生きてもいい。
結婚や子育ての選択肢があってもいい。
ひとり、ひとり親、事実婚、夫婦別姓、
同性婚、LGBTファミリー、里親、特別養子縁組……。
多様な「家族のかたち」を可視化したい。
血のつながらない共同体のかたちもある。
そんな思いで、特集してきました。
そうして出会った「拡張家族 Cift」。
個人と個人が価値観でつながり、「共に働き、共に暮らす」。
拡張する家族が、「平和活動」に挑戦する。
「社会」や「未来」を語るのではなくて、
「個人」が「今できること」を実践して広げていく。
新しい「家族」のつくりかた、これからの共助のありかたでした。
原稿を書きながら「拡張家族」のコンセプトと向き合って、
私は日々、多様な「家族のかたち」を伝えているのに、
自分自身には、自分のつくった家族しかないなあ、と気づかされました。
小さな家族で、仕事と家事と育児をして、余裕を失っていたけれど、
拡張する家族で、全部シェアしてみたら、暮らしが変わるかもしれない——。
他人と家族になるってどういう感覚だろう?
肌感覚でわかってみたい。そう思いました。
1歳の息子もっちは、Ciftで楽しく過ごしています。
友だちと、Ciftの廊下で高速ハイハイして、
家と同じように、笑って泣いて、ごはんを食べる。
生きていると、どこにいてもやることは同じだと気づかされます。
Ciftに「もっち!」と声をかける人がいる。
小さな彼の世界は、垣根なく広がっていく。
私も、息子と一緒に、自分の家族を広げてみたいなあ。
これが、私がCiftに入る理由。
笹川 かおり