さて、点はどこに打つか。


これまで各地を巡ってきた。それによる本もずいぶん書いた。

でも近年は長らく一点に留まっている。留まることできもちや頭は羽をもち、どこにでもいけることを知ってしまったからだ。

さて、点はどこに打つか。

しっくりくるものが見当たらなかった。平成ラストの師走に《ここ》を知った。

家族がなにかなんてわからない。ただどこかで、家族は火を囲む最小の単位ということだけは信じている。そうやって迷ったときはどうなるかわからないことに飛び込んできた。

伊勢 華子