【Cift京都】京都下鴨修学館、三週目は夏休みの終わり。


8月最終週。来週、9月になれば一般入居がはじまり、いよいよ「京都下鴨 修学館」が本格始動する。それまでに、日常も非日常も整えるべく、我らがコミュニティマネジャー山倉あゆみのラストスパートが加速する。楽しいことも地道なことも、多少の面倒なことも。引き続きさまざまなオトヅレを伴って、この週の修学館は、まるで夏休みの最後の一週間みたいだった(いや、そのまんまそうなんだけども)。

8月24日(月)

熟れたメロンをこしらえたり、Cift京都の銀行口座ができたり。Ciftは一般社団法人。Cift京都は、その一拠点として、地域支所的性格をもったCiftの京都部所として、一体でありながら独立した部分でもある。ブック・イン・ブックのようであり、細胞と組織のようでもあり。部分は部分でありながら全体でもあり、部分は全体を語ることもできる。カワルガワルの感覚は回転扉のようで面白い。

8月25日(火)

さて、目下の懸案は鍵問題。デフォルトで設置してくださった鍵がハイテク高機能すぎて、多拠点で暮らす風の民どもには少々荷が重いようなのだ。とはいえ、それもまた環境という与件。どう暮らしやすくしていくか。ここは9月の一週目が過ぎた今も引き続きの検討課題だ。知恵と対話の自己拡張へ。さて、さてさて。

外構工事も急ピッチで進み、キッチンには待望のクーラーが到着。それを待ってた、ありがとう!すばやい対応に感謝です。

 

あゆみのミラクルが続き、「テーブルの脚、いいやつ見つけた! 高さもバッチリ」。

「すごい!よく見つけるよねー!」と恭子さん。みんなスマホや画面の向こうできっとうんうん頷いてる。

8月26日(水)

引き続きあゆみのエリア探検が続く。

「錦市場からの川遊び。からのチーズと薬草酒の店。夕方にはまた、食前酒に戻るパターン。着実に偵察を進めている(笑)」

その川遊びもように皆でもりあがっていると、佐藤くんから「鴨川の上流」とおすすめ川遊びスポットが投入される。さすが、いいとこ知ってるぜー。

8月27日(木)

Cift京都のつながりがきっかけで、メンバーどうしでラジオ番組のゲストに呼んだり呼ばれたりと輪が広がる。

あゆみの近隣探索は引き続き余念なく。「マリア像の教会の花。夾竹桃」

きれいー!と思っていたら、「猛毒注意」のアテンション。おっと!(笑)

川遊びスポット探しも続く。

キッチンにコールドテーブルが届いて、いよいよ整う。存在に感謝しつつ、エールを贈る。

8月28日(金)

さて、この日はフラットエージェンシーさんによる内覧会1日目。新型コロナ感染症対策として、時間を区切っての予約制で人数を絞りつつ、個別対応で説明に回られる。みなさんマスク着用、入り口でアルコール消毒&手袋着用。ご配慮ありがとうございます。

来訪者の皆さんはとにかく興味津々。いろんな方のご挨拶や質問をあゆみが手際抜群に受けつつ、そのかたわらではキッチンに収納棚が爆誕。

 

岡崎エリマネでお世話になりまくっている大先輩の大島祥子さんも来てくださった。ご案内は寺田敏紀さんという、なんかもう巡り巡る関係の網目模様って何とも言い尽くせない。あちこち行き来しつつ、ちょいちょいお話しする。

 

そしてこの日最大の事件は夕方に起こった。これが届いたのだ。

お盆にここを訪れた宮崎さん(大家さん)のご親戚が、階段スペースをご覧になって「ここにかけるタペストリー、今度もってくるわ」とおっしゃっていたという話は聞いていた。藍染作家さんだということも聞いていた。が、それが美山で「ちいさな藍美術館」を営む新道弘之さんで、やってくる作品がイギリスの美術館収蔵作品のバリエーションだなんて聞いてなかった。というか、誰も知らなかったし想像外すぎて訊ねもしていなかった。

「うわ、なにこれ。めっちゃかっこいいやん…!」

場の空気が変わり、皆がどよめく。

存在に力のある作品というのは、こうなのだ。とあらためて思う。これを書いている前日、細見美術館の3階茶室古香庵から若冲に関するライブ配信を行った。細見館長のはからいで、床の間には若冲「糸瓜群虫図」(の本物)を掛けてくださった。学芸員の伊藤京子さんが慎重かつ熟練の手捌きでそれを掛けた瞬間、あの間口一間半の大きな床の間が作品に飲み込まれて、茶室全体に糸瓜の色が広がった。宮崎さんの作品も新道さんの作品も同じだ。その力に肖る修学館は、なんて幸せな場なんだろう。と同時に、それを呼び寄せる場の力も圧倒的に感じる。

ちいさな藍美術館│新道弘之プロフィール
http://shindo-shindigo.com/profile/

8月29日(土)

内覧会2日目。昨日のまかないのお礼にと、設計の土橋孝一先生が吉田パンのパンを手土産にお持ちくださった! なんとこの暑いなか、みずから並んで求めてくださったという。叩頭して感謝しつつ、フラットエージェンシーの皆さんとわけわけしておいしくいただく。喜びとおいしさは分かち合うほど増えるのだ。あゆみが出してくれた「はちみつ草野」のアカシアはちみつも最高だった。

 

コールドテーブルの背面も整い、先行入居組の部屋づくりも着々と進む。続く皆の参考にもなるね。ありがとう。

8月30日(日)

日曜は、一般入居のメンバー家族と先行組が快晴の鴨川で川遊び!

 

遅ればせながら、フラットエージェンシーのプロジェクトリーダー橋本浩和さんがそうっとアップしていた記事を発見する。忍耐づよく、本当に忍耐強く、我々の流動的な動きに寄り添いつつ、着実な推進力をもってプロジェクトを前に動かしてくれたのは間違いなくこの人です。ゴリゴリだけが方法ではない。水のような進め方ってあるんだなと学ばせていただいた。

「京都下鴨修学館」はじまりの物語

8月31日(月)

さあ、いよいよ明日からは一般入居者、cift第二入居組が同時に入居スタート。いよいよ修学館が本格始動する。

それに先立って、コミュマネチームではハウスルールづくりを急いでいるが間に合わない。

そこであゆみから皆へ、信頼するという方法についてのメッセージが届く。

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どこまで本人以外の外側が、心配したり、安心安全を用意をするか、の話。この記事は食に関して書いてありますが、記事の中身はciftの中でも時々対話に出てくる話題です。信頼の領域。これがなかなか難しい。

住民の皆さんとも、この部分を対話しながら全体的なルール作りやルールのブラッシュアップを進めていけたらいいなと思っています。

https://wired.jp/2020/08/28/ajinomoto-asa-ito-ws/

【安心・安全は大事ではありますが、どこかで「信頼の領域」に進んでいくことが、結果的には合理的なのです。】

Ciftに入ったみなさんも、今まで会ったことのない人たちとのやりとりに一つ一つ驚きや発見があるかと。そんなにない? いやいや、私はいまだに結構あってですね、で、心配になりがちです。

子供に対してもそういうところがあるのだけど、心配って、経験を失わせてしまうことがあるので、注意せねばと日々自分に言い聞かせていて、ここらへんのバランスを、せっかく実験出来る生活の場なのだから、いろいろ試していけたらと思っています。

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大きく頷く。不確実性を前提としたとき、行動の価値観は変わらざるをえない。例外のない統一理論に感じる美はわかるけれども、にぎやかな例外がひしめく生物界の快が我々の現実だし、だからこそ委ねた先の崇高がある。そう思う。あとね、やっぱり今「冬の紳士」が必要なんだと思う。

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