私は多くの「つながり」の恩恵を受けて生きてきた。小さい頃、朝起きると知らない人が家に寝ている。世界中を旅してきた父の友人たちの、色んな国籍の人や年齢の人が家で楽器を叩きながらサンバ(ブラジル音楽)をしている。一方、自分の家の周りにはインターホンを押せばご飯を食べさせてくれる家が沢山近所にあった。自分を本当の娘や妹のように、可愛がってくれるご近所さんや、親の友人たちなどのたくさんの繋がりの中で育ってきました。
それは12歳で両親が離婚してからも変わりませんでした。寂しくなかった。むしろ、父や母の新しいパートナーが増えて、家族がもっと大きくなった。でも小学校では「アンジュの親って離婚したんだよね?」と言われて。その時に感じた “違和感” がきっかけで、『家族ってなんだろう?』と考えるようになりました。
家族のかたち。それは人それぞれであるべきだ。
そこには血縁関係や社会的な枠組みがなくても、つくれるものなんじゃないか。
Ciftのコンセプトである『意識で繋がる拡張家族』というテーマは、まさに私がずっと探してきた家族のあり方を、実験し体現し、その輪を広げていくことができる挑戦だと思っています。
家族を形づくるものはきっと目には見えない。
心から溢れ出る愛する気持ちや優しい感情が重なるとき、本当の豊かさや、愛することの素晴らしさを確かめることができる存在であるはず。
もし、この世の中に今、「家族」という社会的枠組みや常識に縛られ、辛い思いをしている人がいるとするなら、
このCiftでの生活が、それを解き放つことができたらいいな。
そう思っています。
世界平和は、どうしたらつくれるのだろう。
私は小さい頃から、ある運命的な出来事がきっかけで、自分は世界平和を実現するために、生まれてきたんだ。ピースメッセンジャーになることが使命なんだ。そう信じて生きてきました。そのために日本で唯一平和研究を学ぶことのできるICUで平和について学んだり、世界中を旅して「What is peace to you ?(あなたにとって平和とはなんですか?)」という問いをスケッチブックを片手に聞いてまわったり。
そもそも争いの原因は、あなたと、私を分け隔てる「自」と「他」の違いから生まれます。
「自」と「他」という理論から抜け出さずに、数の理論で構造的なアプローチをしても、そこには必ず限界がある。
もし世界平和を実現できる唯一の手段があるとしたら、
それは、「自」と「他」という境をなくすこと。
あなたは、わたし。
個人と個人がありのままを受け入れて、
つながることができたら。
それはまさにCiftが目指す拡張家族が、世界の端から端まで、家族になったら。
それこそが世界平和なのではないかと、信じています。
石山 アンジュ