9月末で、人事窓口を卒業します。~ここ2年間の人事について~


Ciftのみんなへ

Ciftにおける「人事」は、立ち上げ当初からずっと大きなテーマで在り続けてきた。立ち上げ時~Cift1周年くらいまでは、Cift発起人の藤代健介氏が概ね一人で担っていた。彼が昔、人事について想いを綴った記事はこちらに。

そこから、いろんな流れの中で、ここ1年半…2年間くらいは、基本的に健介は中心からは外れ、私(愛梨)が窓口/事務局担当をやり、説明会も複数人体制にし、人事フローに沿って、新メンバーを迎える形で進めてきた。マイナーチェンジは繰り返しつつ。

今回、窓口/事務局担当を完全に手放したいと思い、今どういうフローで実施しているのか、この2年間で何を感じてきたのか、なぜ手放したいのか、などをメモしてみようと思う。

最後にも書いているが、私は、9月いっぱいで、人事窓口は終わりにさせてもらおうと思う。説明会チームにはいたままで大丈夫でだけど、すごくたまに担当する人、という感じにさせてもらえたら嬉しい。

現在の人事体制は?

【メンバー】
窓口/事務局担当:愛梨
説明会実施チーム:愛梨・容子・健介・たえ・あゆみ・だい

【人事フロー】
・既存Ciftメンバーから、窓口担当の愛梨に「Ciftメンバーになってほしい人がいる」と連絡がはいる。
・紹介者には、簡単な紹介シートをかいてもらう。
・オンライン上でメンバー候補の方と窓口担当としての愛梨を繋げてもらう
・説明会の日程、説明会実施メンバーの調整をする。
・90~120分間の説明会実施
説明会実施者は一人。説明会チームのメンバーの中から、タイミングや相性的に合いそうな方に声をかけ、調整をする。参加者は、マックス5名くらい。でも、多すぎて対話形式にするのが難しく、最近はマックス2名くらいにしていたし、説明会実施側も、サブとして+1人入るようにしていたり。
・四者面談を実施(メンバー候補者・紹介者・Ciftメンバー2人)し、対話の中で、Ciftメンバーになる意志を確かめてもらう。
・どこかのタイミングで、各拠点のご飯会に参加してもらい、対話とは別の場の雰囲気も感じてもらう。
・メンバーになると決まれば、Cift全体に共有した上で、同時並行で所属拠点/部屋を調整し、メンバーになってもらう際の提出物を提出していただき、メンバーになってもらう。拠点の調整は、拠点の担当窓口メンバーと直接やってもらう形にしている。
・その後、暮らしはじめ、SNSのグループ各種にも追加され、段々と馴染んでいってもらう。

まぁ、ざっと、こんな感じだ。多い時には月に7名、少ない時は0名のときもある。説明会実施の頻度も、マックスで月3回くらい、少ないときは0回。

窓口担当の私、説明会実施者、拠点窓口メンバー、ご飯会参加者、面談実施者…多くのCiftメンバーが関わりながらプロセスが進んでゆく。基本的には紹介者フィルターがかかるため、途中でNOということはしないことにしている。しかし、それでも、「三つのライフフェーズのどこを生きているか」、「自己変容しようとしているか」、などの観点でその方をみたときに、Ciftのコンセプトとその瞬間のその方の状態が合致しない場合はある。関わる中で誰かが違和感を感じたら、上の人事フローの中にはないイレギュラーな対話を挟むことも多々ある。多々。

大体の場合、窓口の私が違和感を感じる最初の人なので、結果、窓口担当といえど、そのあたりの突っ込んだ対話の実施、対話の際のメンバー選定、なども担っているという現状がある。

ちなみに、「三つのライフフェーズのどこを生きているか」や、「自己変容しようとしているか」は、健介の記事から引用した言葉だ。下記、引用文を貼り付けておく。

 

三つのライフフェーズのどこを生きているか

この二つの状態についての「調律」がCiftの人事での要諦といえる。二つの状態とは、「目的としての主体的全体である意志」の調律と、「手段としての自己変容しようとする態度」の調律だ。

一つ目は、目的が主体的全体である意志の調律だ。

それを僕は、依存的全体、主体的個別、主体的全体という三つのライフフェーズで整理している。

断っておくがどれが良いとか悪いとかではなく、この構造自体が人生や歴史における一つの真理だと認識しており、どのライフフェーズもかけがえのないもので、全てはタイミングだと思っている。一般的には、「英雄の物語」と言われている構造だ。

それを前提に、以下、それぞれを説明する。

依存的全体:属する共同体に依存している状態。大いなる母親に包まれている状態。

このフェーズで必要なのは居心地の良い共同体から自らの離脱を通して自立することである。全体から分離することで、自分自身の存在に向き合い、力を身につけ、自信を持つということが重要だ。その自立が新たな共同体に入ることだと今度はそれに依存してしまうのでCiftに入るタイミングではないと考える。まずは自らの足で立てる力をつけようと伝えることにしている。

主体的個別:共同体から離脱し、自らの足で歩きはじめ、自己実現を目指そうとしている状態。

この状態は力を得るためにとても必要な時期であると同時に、Ciftではこの力はあくまで手段であって、目的である愛の主体的全体へと意識を向けるかどうかがポイントになる。

主体的個別を目指して邁進している人については、それを応援しながら、Ciftという場所はその自己実現を一部解いて全体実現に加担する行為なので今は適切ではないと伝えるようにしている。

主体的全体:自己実現において限界感や喪失感を感じた上で、自我を超えたものにコミットしようとする状態。

力を得る主体的個別フェーズを通った人たちがそれを手段として、愛という目的に意識が向き始めたらCiftに入る立ち位置になったと言える。

ここでポイントなのは主体的全体がすでに体現できている態度の状態ではなく、そう在りたいと思う意識の状態を確認していることだ。

なぜなら僕も含めてここができている人は少ないし、むしろそこを共進化するための場所がCiftだからだ。

その時に大事なのは自らの意志で入った環境が自ずと人を変容させていくことだ。このとき、主体的全体への意志がなければ、どんな環境があっても発酵しないし、むしろその人の人生にとって腐敗してしまうので、ここの音合わせはとても大事と言える。

誰もが不完全な自分。自己変容したいかどうか

二つ目は、手段として自己変容しようとする態度の調律だ。

主体的全体の人生を邁進していこうという意志が発露した時に、実際の態度として自己変容をしようとするかがまた重要である。

この時、自分を自分たらしめている根源的部分からも自己変容したいのかどうかを問うための対話をしている。そこでは、その人が持つカルマとトラウマまで踏み込み、愛と力、母性と父性、関係性と主体性という陰陽バランスの中で自分がどうアンバランスなのかを深いレベルで問うことにしている。母性が強い人には主体性を重んじるように言い、父性が強い人には関係性を重んじるようにように言う。

ポイントはこの瞬間に変われるかどうかではなく、そういう自分の弱さや負をさらけ出すことができるかどうかだ。主体的個別として力を得れば得るほど自分の中の規範性が強くなり、弱い部分を直視したり外へ開いたりしにくくなることはままあって、その状態でCiftに入ると居心地が悪くなると思っている。

僕自身にも父性寄りのアンバランスさが態度としてあり、それに限界を感じていることもあって今回人事を開放しようとする動きがあったりするくらいには、自分が不完全なことを承知している。

 

あ、あと、流れで、退会メンバーがいるときの手続きも私がやっている。

 

窓口担当として、感じてきたこと

・人を視る能力を身につける修行
本当に、いろんな人と出会った。当時の私は、言葉がすべてだと思っていた。人は、意図なく、嘘をつくことを知った。今は、聴こえてこないもの、目に見えないものを、より視るようになった。

・流れ、直感をフル活用する修行
そういうものをフル活用しなければ成り立たないこの仕事。めちゃくちゃ修行だった。自分が思考ムードのときはうまくいかず、世界への信頼度が高いときはとんとん拍子にゆく。

・愛と力の合間での、葛藤
まさに、Ciftで大事にしている愛と力の動的平衡を、常に問われている感覚だった。世界平和を目指すCift。誰もを受け入れたい、でも受け入れたら依存し合うコミュニティになってしまう、それはCiftである意味がない という葛藤が、常に心にあった。

・責任感、緊張感
人がコミュニティを形作る。だからこそ、誰を入れるか入れないかの最終ラインにいるポジションにいることの責任感、緊張感が常にある。

・社会人基礎能力?みたいなものがある程度必要
日程調整、メンバー調整、拠点担当とのの調整、Cift全体へのシェア、提出物依頼の納期管理、SNS登録などの事務手続き、質疑応答、などの業務が正直多い。即レス力、タスク管理力、スケジュール管理力など、結構必要。ちなみに私は、苦手な方だと思う。ただでさえマルチタスクが苦手な私ですが、特に疲れ気味の時にはその能力が著しく低下するので、新拠点オープンやらで大人数の対応を同時にしているときには、反応が遅くなったり、進捗がごちゃごちゃになったりする…

・忍耐力、寛容さ
ぶっちゃけ、納期を守らない人もたくさんいる。新メンバーもタスクが多いので、仕方ない部分もあると思う。Ciftメンバーになる際には、「なぜCiftに入ろうと思ったのか」という問いに対する文章を書いてもらうことを必須にしているが、5回以上リマインドをしても書いてくれなかった人もいた。いちいちキレていたらキリがない。これも愛の修行なんだろうけど、だいぶ「待つ」とか「機械的にリマインドし続ける」的な能力は成長させることができたとおもう。

・2名体制が難しい
何度か試した。上手く行ったことは、ない。「流れ」や「タイミング」が大事な中で、流れをキャッチする力が(その時に)高い方が全部やる感じになってしまう‥ということだろうか。

なぜ手放したいのか

特に明確な理由はなく、ある日起きたら、終わりが来ていた、みたいな感じだ。お告げのような。私の場合、終わりの訪れは、いつだって、突然…なのです。

でもまあ、あえて言葉にすると、こんな感じかなぁ。

・1人体制にせざるを得ないので、属人的になってしまう
背負い続けすぎているので、良き流れが生まれなくなってきている感じがする(噛み合わないことも増えてきているので、流れが悪くなってきているメッセージかな、と感じる)

・成長できるところまではさせてもらった。卒業したい!
結構大変だった。そろそろ、自分に「お疲れ!」と言って、卒業したい!

・愛と力の修行になるので、他の人にもこの経験をしてもらいたい
まじで勉強になりました。Ciftには、興味深い人がたくさん集まってくる。いろんな人を視るって、貴重な経験になった。

・今の私には、全体の人事フローに改革を起こすモチベーションがない
よく、言われます。「人事について、見直した方がいいかもね~」とか、「そもそもなんでこうなってるんだっけ、ゼロから考え直した方がよくない?」とか。でも、行動に移すところまで主体的に動いてくれる人は、なかなかいない。言った人にやってほしいけど、仕方ない。変えるには対話したり、形にしたり、エネルギーがいる。私は、今のCiftにおいては、今のやり方がかなりベストに近いと思っている部分もあるので、私が主体的に人事改革プロジェクトを動かすことはよっぽどのことがない限り、ないだろう。一方で、色々コメントしてくれる人がいるということは、変革を望んでいる人もいるということなのかもしれない。私がここから離れ、そこにエネルギーを注ぎたい人が現れ、能動性が生まれる、という流れになったとしたら、コミュニティとしても健全な気がする!現れなければ、誰も本気で臨んでいなかったというまでで。

最後に

一般常識的には、後任を探して、個別にやりとりして、決まってから去るという流れになるのだろうか。でも、正直、私の直観力が鈍っているからか、適任のメンバーが思いつかない。(ちょっと前に、リオかな!と思い、声をかけ、引継ぎも進めていたが、やり始めてみたら、お互い違った感があり、白紙に戻しました。)なので、後任をやりたい方、ゼロから人事について考えたい方に、わたしたい!

次の人が決まるまでは私が続ける…だと誰も出て来ずずるずる…みたいなことになりそうなので、私は、9月いっぱいで、完全に人事窓口の役割からは降ります~。

9月中に現れてくれた新メンバー候補の方については最後まで窓口担当やりますが、10月からはやらないので、それまでに決まらなければCift全体マターになる、という形にさせてください。

進捗がわかるように整理しておくし、質問、対話、いつでもウェルカムです。
よろしくお願いします!

愛梨