個人がその人らしく在れる居場所をデザインする。


今まで生きてきた中で、家族や人との関係性を省みずに、自分の成し遂げたいことに囚われて走ってきてしまったところがありました。

個人主義万歳。人は人、自分は自分。

社会的に認められること、精神的にも経済的にも自立していること。

それが今までの私を貫いていた価値観であり、そこからブレないことが自分の自信を作っていくものだと思っていました。もともと金融系の仕事をする家系で育ったため、家族間で時々漂うドライで合理的な価値観に反発心を持ちながらも、無意識に囚われていた部分もありました。

けれど、仕事、恋愛、色々な局面で、その価値観だけでは生きていけないこと、その価値観に執着してしまっていたのは、実は自分の中の潜在的な不安を誤魔化すためだったことに気がつき始めました。

同時にそれは、資本主義的な社会システムの中に押し込められた、現代にありがちな価値観で、そのシステムから外れた時にすべてが崩れ去る怖さのようなものも漠然と感じ始めていました。

ある時、自分の仕事でのアイデンティティもパートナーも同時に失い、自分自身が持つ“関係性の希薄さ”みたいなものを目の当たりにして、打ちのめされる瞬間がありました(その時に支えてくれた近しい友人、家族がいて、そのことはとても恵まれていたと思うし、今でも本当に感謝しています)。

そんな時に、出会ったのがCiftでした。

「拡張家族」というゆるやかな関係性の中で、暮らし、仕事をすること。関係性の中で経済圏を作ること。

それは、自分の働き方、暮らし方をデザインすることでもあり、今まで仕事として関わってきたUXデザイン、サービスデザインのもう一つ上位概念のレイヤーをデザインするチャレンジだと思っています。

今まで持っていた自分の個人主義的な価値観を融解させ、変容させていかないとできないことです。

凝り固まってしまった働き方、暮らし方、価値観を少しづつ解きほぐしながら、個人がその人らしく在れる居場所をデザインする。

それが、私自身が価値観の変容を楽しみながら、Ciftの家族と共に実践していきたいことです。